更新料は「契約書で決まるお金」
更新料は、契約期間が終わって契約を続けるときに、借りる人が貸す人に払うお金です。法律で一律に決まっている費用ではなく、払うかどうか・いくらかは契約書の内容で決まります。更新料がない物件もあります。
契約の前には、不動産会社が重要事項説明で、家賃以外にやりとりするお金の額と目的を説明することになっています(宅地建物取引業法 第35条)。更新料も、契約書や重要事項説明書の「更新」「その他の費用」の欄で確認できます。
更新料の条項は有効?最高裁の考え方
更新料が消費者契約法に反して無効かどうかが争われた裁判で、最高裁判所は2011年7月15日、次のように判断しました(裁判所 判例)。
- 契約書にはっきり具体的に書かれた更新料の条項は、原則として無効にはならない
- ただし、家賃の額や更新される期間などに照らして高すぎるといった特別な事情がある場合は別
つまり、契約書に「更新料は新家賃の1か月分」のように明記されていて、それに合意して契約している場合は、払う約束をしていると考えるのが基本です。一方、契約書に書かれていない更新料を後から求められた場合は、根拠を確認しましょう。
更新手続きの一般的な流れ
- 更新の案内が届く:契約が終わる前に、管理会社などから更新の書類や請求書が届きます。届かないときは、期間が終わる前に自分から確認しましょう。
- 内容を確認する:新しい契約期間、家賃・管理費、更新料、ほかにかかる費用(更新事務手数料、火災保険の更新、保証会社の更新料など)を確認します。
- 書類を返送し、費用を払う:更新契約書に記名して返送し、指定の期日までに更新料などを払います。
- 住み続けない場合:更新せずに退去するなら、契約書の解約予告期間(1か月前など)までに解約を伝えます。
国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、契約期間が終わるときは、貸す人と借りる人が協議して更新できる形になっています(国土交通省)。実際の手続きは契約書と管理会社の案内に従ってください。
更新の書類を出さなかったら?(法定更新)
借地借家法では、期間の定めがある建物の賃貸借で、期間が終わる1年前から6か月前までの間に、どちらからも「更新しない」などの通知がなかったときは、それまでと同じ条件で更新したものとみなすとされています(法定更新。借地借家法 第26条)。また、貸す人から更新を断るには「正当の事由」が必要です(第28条)。
そのため、書類の返送が遅れたからといって、すぐに住めなくなるわけではありません。ただし、法定更新になった場合に更新料を払う必要があるかは、契約書の書き方によって扱いが分かれます。書類は期日までに返送し、わからない点は管理会社に確認するのが安心です。
定期借家契約は更新がない
「定期借家契約(定期建物賃貸借)」は、書面で契約し、契約の更新がないことをあらかじめ説明したうえで結ぶ契約です(借地借家法 第38条)。期間が終わると契約は終了し、住み続けたい場合は貸す人と合意して再契約することになります(国土交通省)。自分の契約がどちらかは、契約書の表題や説明書で確認しましょう。
更新月のお金を準備する
更新月は、いつもの家賃に加えて更新料などがまとめてかかります。たとえば家賃8万円で更新料が1か月分なら、更新料だけで8万円です。火災保険や保証会社の更新料が同じ時期に重なることもあるので、契約書を見て、合計額を早めに把握しておきましょう。
更新料も含めた住まいの費用で家賃が無理のない範囲かは、家賃の目安の計算で確認できます。更新のタイミングで引っ越しも考えるなら、初期費用の計算で新居の費用と比べてみるのも一つの方法です。
困ったときの相談先
契約書にない費用を求められた、金額の根拠がわからないなど、話し合いで解決しないときは、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談できます(国民生活センター)。
初期費用・引っ越し代・家具家電の予算をまとめて計算し、業者3社の見積もり比較と手続きの期限チェックもできるExcelシートです。
よくある質問
更新料は交渉できますか?
契約で決まっている金額なので必ず下がるわけではありませんが、長く住んでいる場合などに相談に応じてもらえることもあります。ていねいに相談してみましょう。
更新料を払わないとどうなりますか?
契約書に明記されていて合意している場合、更新料は契約で約束した支払いなので、払わないと契約違反として扱われるおそれがあります。すぐに払えない事情があるときは、期日の前に管理会社へ相談しましょう。
更新したあとすぐに引っ越すと、更新料は戻ってきますか?
返還されるかどうかは契約書の定めによるので、契約書を確認しましょう。引っ越しを考えているなら、更新の前に時期を決めると、更新料を払わずに済む場合があります。